父と函館
父が亡くなってから、はや2年3ヶ月。
函館で生まれた父だが、高校生の時に、なにやら事情があり一家で東京に移住した。
父が小学校3年生の時に生き別れた実の母(私にとっては祖母)が、今もどこかで暮らしている函館。私がまだ生後間もない頃、祖母が上京したことがあるらしいが、私はもちろん顔もなにも記憶にない。
父は生前函館に行きたがらなかった。
函館時代の愉快な話は沢山してくれたので、嫌いではなかったと思うのだが、理由もなく故郷に行きたくなるのは死期が近いからだという、迷信を強く信じ込んでいたせいか、誘っても決して函館へ行こうとはしなかった。私は父の故郷ということもあってか、函館がとても好きで、何回となく行っている。一度、父と函館へ行き、色々な思い出話を聞きながら一緒に歩きたかった。今は、もう実現不可能だけど。
亡くなる数ヶ月前、お墓のことをしつこく問いただす私に、なかば投げやりに、「死んだら大森浜に散骨してくれればいい」と言い放った父。その時は病気ではあったが、生死を問われるようなものではなかったので、突然の父の死は受け入れるのに時間がかかった。
本当に散骨でいいのか…。何度も母と妹と話合いを重ねた。結果、唯一残した父の遺言を頼りに、北斗星に乗って函館に行き、静かに大森浜に散骨することとなった。
あれから、すでに2年数ヶ月。今年は3回忌にあたるので、そろそろ大森浜に行かなくては。。。
待っててね。オヤジ。
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